一都三県「中古マンション価格高騰」、その実態と背後にある囲い込み | 仲介手数料無料のREDS

REDSエージェント、宅建士の成田育子です。

弊社は一都三県の物件の売買仲介が可能な会社です。地域密着ではないのですが、幅広い取り扱いをしております。

首都圏一都三県では「中古マンションの価格が高騰している」といわれます。しかし、それは本当に正しいのでしょうか。ほかにもっと大事な視点があるのではないでしょうか。

今回は埼玉県・千葉県・神奈川県の中古マンション価格の実態を調査したマンションリサーチ株式会社が2024年5月2日に発表したプレスリリースの内容を元に、私の所感を述べます。

マンション価格

埼玉・千葉・神奈川では価格が下落した中古マンションの数は増加中!

マンションリサーチ株式会社は、「マンション価格が高騰している」という論調の実態を探ろうと、埼玉県・千葉県・神奈川県に所在する中古分譲マンション約8700棟(40㎡以上の実需のもの)を対象に2022年と比較し2023年に価格が下落した中古マンションの数を調査。

2022年と2023年の比較で価格が下落したマンション数は以下のようになったそうです。

  • 【3県合計】:約38%増加
  • 埼玉県:約50%増加
  • 千葉県:約36%増加
  • 神奈川県:約33%増加

同社は「いずれの県もコロナ禍以降、『値下げした回数』は増えているものの『売れるまでにかかった日数』は増加または横ばいになっている。価格を下げても、今までよりも売りづらくなっている市況のため、今後価格の高騰は考えづらい」としています。

中古マンション価格が高騰しているという〝世論〟

どのように分析したら上記のような結論になったのでしょうか。同社はまず、東日本レインズのデータよりマンションリサーチ独自に作成したグラフを示しています。

一都三県中古マンション坪単価推移

上記のグラフは、一都三県各月の中古マンション平均成約㎡単価を示しており、2013年3月より2024年3月に至るまで増加の一途をたどっていることが分かります。

たしかに、このグラフを見れば「首都圏では中古マンション価格は高騰している」という言説に間違いはないといえるでしょう。しかし、この後、同社は価格の下がった中古マンションについて以下のように検証しています。

埼玉・千葉・神奈川の対前年比価格が下がった中古マンションは38%増加

埼玉・千葉・神奈川の対前年比価格1

(マンションリサーチ調べ)

表の赤枠部は、左から2022年・2023年の埼玉県・千葉県・神奈川県における価格が下がった中古マンション数と、その増減率(対2022年比)を示しています。

全体としては平均約38%の増加で、特に埼玉県では約50%と顕著に増加している、とのことです。

埼玉・千葉・神奈川の全マンションに占める下落マンションの割合は44%

埼玉・千葉・神奈川の対前年比価格2

(マンションリサーチ調べ)

表の赤枠部は、左から埼玉県・千葉県・神奈川県における調査対象の中古マンションの母数と2023年に下落した中古マンションとその割合を示しています。全体としては、44%の中古マンションの価格が下がっていることがわかります。

東京23区との比較

同社によると、東京23区で価格の下がったマンション数の増減率(対2022年比)は約31%で、その数は調査対象マンション全体の35%だったとのことです(参照調査リリース)。

同社は「埼玉県・千葉県・神奈川県といえども、東京都(特に23区)と比較すると、『価格が下がったマンション』の増加率も、その全体に対する割合も非常に高い状況にあるため、少なくとも東京都ほど価格が高騰しているとはいえない市況」と分析しています。

埼玉・千葉・神奈川の平均販売期間と平均価格改定数

同社は中古マンション価格分析における独自の先行指数として「平均価格改定数」=「値下げした回数」と、「平均販売期間」=「売れるまでにかかった日数」を重要視しているそうです。

いずれの県もコロナ禍以降、「値下げした回数」は増えているのに「売れるまでにかかった日数」は増加または横ばいになっている、と指摘。同社はこの事実をもって「価格を下げても、今までよりも売りづらくなっている市場のため、価格が高騰するとは考えづらいでしょう」としています。

以下、県別に見て行きましょう。

埼玉県の中古マンションの平均販売期間と平均価格改定数

埼玉県の中古マンションの平均販売期間と平均価格改定数

(マンションリサーチ調べ)

千葉県の中古マンションの平均販売期間と平均価格改定数

千葉県の中古マンションの平均販売期間と平均価格改定数

(マンションリサーチ調べ)

神奈川県の中古マンションの平均販売期間と平均価格改定数

神奈川県の中古マンションの均販売期間と平均価格改定数

(マンションリサーチ調べ)

注目したい「売れない日数の増加」の原因

「一都三県の中古マンションは高騰している」という印象が強いお客様は多く、確かに強気で売り出し中の物件は多く見受けられます。ですが、上記の検証から、埼玉、千葉、神奈川では「2023年は対前年比で価格下落したマンション数は38%増加した」「売れるまでにかかった日数は増加傾向になっている」と事実も浮かび上がりました。

ここで私が注目したいのは、後段の「売れるまでにかかった日数が増加傾向になっている」という事実です。

弊社では一都三県の問い合わせを受け付けており、特に売却に関しましては、他社のように「とりあえず高い査定額をお客様に提示して売却物件を確保し、徐々に下げていけばいい」という考え方はしていません。

高い査定を出して売り出すと、売れるまでにかかる日数の増加につながります。弊社の全エージェントたちは、お客様のご希望金額を尊重し、とことん話し合い、決して囲い込みはせず、幅広く他社のお客様も自社のお客様も同じようにご紹介し、誠心誠意、売却活動を行っています。

他社の囲い込みをこちらのブログでたびたび話題にしていますが、早期に売れないのではなく、幅広く他社のお客様にも紹介が行われていないのが現状なのです。お願いしている担当者しかお客様を連れて来ない場合は要注意です。売却活動をしていらっしゃる方は改めて現状の売り出し方を依頼している仲介会社担当者に確認をしていただくことをお勧めいたします。

購入もお客様に寄り添い、お客様が納得するまで、しっかりと対応し、決して無理やり契約させるようなことはいたしません。

〝安かろう悪かろう〟ではない弊社のお客様の声をご覧いただけますと幸いです。皆様からのお問い合わせをお待ちしております。

 

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