REDSエージェント、宅建士の木村康幸です。
今回は、閑静な住宅街(第一種低層住居専用地域)についてのお話です。
建築制限が厳しいがゆえの「閑静な住宅街」
第一種低層住居専用地域は、13種類ある用途地域のなかで最も建築制限が厳しい地域です。敷地の有効利用性がとても低いエリアで、それゆえいわゆる「閑静な住宅街」とされるエリアは、第一種低層住居専用地域が多いのです。
全体的に隣地との空間が広くゆったりしたエリアです。建ぺい率と容積率の制限が厳しく、高さ制限も10mか12mです。広めの敷地に平屋建てや2階建ての住宅が建ち並ぶエリアです。
第一種低層住居専用地域の建ぺい率と容積率、高さ制限
第一種低層住居専用地域は全国的に以下のような制限があります。
- 建ぺい率:30〜60%
- 容積率:50%・60%・80%・100%・150%・200%
- 高さ制限:10mか12m
建ぺい率が50%、容積率100%、土地面積100㎡の場合で考えると、建築できる建物は概算で1階に50㎡、2階に50㎡の2階建てになります。
両隣や近隣の住宅も同じ条件ですので、両隣との空間があり、採光・風通り・景観が良好で、ゆったりと静かな環境です。
第一種低層住居専用地域に向いている人
第一種低層住居専用地域はこんな方々にお勧めのエリアです。
- 静かな環境で、ゆったりと生活したい
- 小さくてもいいから庭を持ちたい
- 自家用車の利用が多いので駅から少し離れていても大丈夫
一方、第一種低層住居専用地域にはデメリットもあります。このエリアには大型のスーパーマーケットなどはつくれません。またコンビニエンスストアも条件をクリアする必要があります。。
建築物にさまざまな制限を定めた用途地域
以上のように、住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるものを「用途地域」と呼びます。第一種低層住居専用地域を含め、以下のとおり13種類があります。
●第一種低層住居専用地域
低層住宅のための地域で建築物の高さが10mや12mなどに制限されています。戸建てだけでなく低層マンションも建てられます。一方、店舗は床面積の合計が50㎡以下であれば可能ですが、この規模では一般的なコンビニは建てられません。建物の種類としては、戸建て住宅のほか賃貸住宅やマンション、小中学校ならOKです。
●第二種低層住居専用地域
高さの制限は第一種低層住居専用地域と同様です。一方、建物の種類は床面積150㎡までの店舗が可能になるため、第一種低層住居専用地域で可能な建物に加え、コンビニや飲食店が建てられます。
●第一種中高層住居専用地域
中高層住宅のための地域です。建物の高さ制限はありません。
●第二種中高層住居専用地域
建物の種類は第一種中高層住居専用地域で可能な建物に加えて、2階建て以内&床面積1500㎡以下の店舗や事務所が建てられます。
●第一種住居地域
住宅の環境を守るための地域です。住宅以外は上記の第一種・第二種中高層住居専用地域で可能な建物に加えて、3000㎡までの店舗や事務所、ホテルが建てられます。
●第二種住居地域
主に住宅の環境を守るための地域です。第一種住居地域で可能な建物に加えて、ボウリング場やスケート場、また床面積1万㎡以下ならパチンコ屋やカラオケボックスなども建てられます。
●田園住居地域
平成30(2018)年4月に都市計画法上の新たな規制の仕組みとして導入され、田園住居地域という住居系の用途地域が追加されました。田園住居地域は、農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するために定められる地域・農業と調和した低層住宅の環境を守るための地域です。
●準住居地域
道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。国道や幹線道路沿いが指定されることが多く、第二種住居地域で可能な建物に加えて、車庫や倉庫、作業場の床面積が150㎡以下の自動車修理工場、客席部分200㎡未満の劇場や映画館などが建てられます。
●近隣商業地域
準住居地域よりさらに制限が緩和され、店舗や事務所、劇場や映画館などに床面積の制限がありません。
●商業地域
映画館、飲食店、百貨店などが集まることを目的とした地域です。風俗施設や小規模な工場も認められています。ターミナル駅の周辺部などが指定されることが多いです。
●準工業地域
主に軽工業の工場やサービス施設が立地する地域です。危険性や環境悪化が大きい工場を除き、ほとんどの工場が建てられます。住宅やホテル、ボウリング場、映画館、病院、教育施設なども建てられます。
●工業地域
どんな工場でも建てられる地域です。高層マンション・住宅や店舗も建てられますが、ホテルや映画館、病院、教育施設などは建てられません。湾岸地域が指定されていることが多く、その場合たいていは高層マンションが建ちます。そのため高層階から海や街を眺める生活を送りたいという人には向いています。
●工業専用地域
工場のための地域です。どんな工場でも建てられますが、住宅は建てられません。
(上記用途地域の種別と概要はSUUMOより抜粋)
REDS 不動産流通システムの木村です。
宅地建物取引士・管理業務主任者・リフォームスタイリスト
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