こんにちは、不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士の小室武稔です。
みなさまは、2022年から不動産の売買契約などで電子契約が可能となったことをご存じでしょうか。
弊社でも2022年にシステムを導入し、電子契約をいち早く開始いたしました。
それまでは、面談による重要事項説明と売買契約書の読み合わせを行い、ひととおりご説明が完了し、署名・押印の流れでした。売主様、買主様が遠隔地で契約に出席できない場合は、親族など委任した代理人によって契約する方法もありました。
また、郵送によって書面の署名・押印をいただくこともありましたが、1~2週間(海外であればそれ以上の日数)の時間を要していました。しかし、インターネットを利用し、電子ファイルに対して電子データ(電子署名・タイムスタンプなど)を記録して締結する電子契約が可能となって以降は、インターネット環境の整った場所であれば、遠隔地でも契約を行うことが可能となりました。
(写真はイメージです)
書面での契約との違い
これまでの書面での契約では、紙に印刷された売買契約書に署名・押印をしたり、あらかじめ住所・氏名などが印字されている書面に押印したりすることで、本人の意思を表示した証しとしていました。
これに対し、電子契約では契約書に自署で署名をしたり、実印などの印鑑で押印したりする代わりに電子署名を用いて契約締結となります。
電子署名法の要件を満たせば、電子署名による契約は、書面のものと同様に、本人の意思による契約として法的効力をもちます。
書面の契約 | 電子契約 | |
---|---|---|
書類媒体 | 紙への印刷 | 電子データ |
署名方法 | 記名押印、署名 | 電子署名 |
締結日時の証明 | 日付記入、確定日付の取得 | タイムスタンプ |
電子契約の流れ
電子契約の流れは、Webミーティングのツールを利用し、オンラインによる重要事項説明(IT重説)を行い、電子署名にて契約が締結する運びとなります。
メリットは、遠隔地の参加が可能となり、移動の時間と費用が必要なくなることです。
また、紙での文書交付をしないため下記のような契約時の収入印紙も不要となります。
売買記載金額 | 印紙税 |
---|---|
1,000万円以下の契約 | 5,000円 |
5,000万円以下の契約 | 1万円 |
1億円以下の契約 | 3万円 |
5億円以下の契約 | 6万円 |
10億円以下の契約 | 16万円 |
50億円以下の契約 | 32万円 |
REDSではご売却時の媒介契約も電子契約を利用
弊社では、売買契約だけでなく、ご売却時の媒介契約も電子署名を利用しています。遠隔地にお住まいで面談の機会を設けることができないなどの理由で、今までは郵送での対応で1~2週間かかっていた媒介契約も、Webミーティングと媒介の電子契約で、リアルタイムでの販売開始が可能となりました。
2024年8月20日現在、弊社ではWebミーティング・IT重説には「Microsoft Teams」を利用し、電子契約・電子署名には「クラウドサイン」を利用しています。
【Microsoft Teams】
弊社より招待のURLを送り、そのURLよりミーティングに参加いただきます。アプリの取得なく利用可能で、電子契約のためのIT重説だけでなく、購入時の打ち合わせなど、一般的な業務にも利用しています。
一番のメリットは、遠隔地でもインターネット環境があればミーティングが可能で、交通費や移動に時間を要する必要がないことです。
【クラウドサイン】
クラウドサインを利用するための事前のご準備は、メールアドレスをお知らせいただくだけです。
電子署名の流れは、お知らせいただいたアドレスに案内のメールが届きますので、案内にそってご対応いただくだけで、電子署名が完了し、電子契約が締結いたします。
電子署名済みの電磁的記録(PDFファイル)とあわせて、合意締結証明書が発行されますので、いずれも電磁的記録にてご保管いただく運びとなります。
実際の電子契約について
これまで複数件の電子契約を行いましたが、遠隔地にいながらリアルタイムでの契約が可能となりますので、スケジュール調整が容易となり、スピーディーに契約締結することができるようになったことが、最もいい点だと考えています。
売主様に代わって、委任状による代理人として、評価証明書を取得するケースもありますが、23区では事前に電子署名のデータを登録し、都税事務所にて評価証明書の取得が可能となりました。
以前は、委任状のみ署名・押印済みの書面を所有者様にいただく必要がありました。郵送や書類作成の時間が不要となり、非常に便利に感じています。
また、住宅ローンの本審査時に金融機関へ売買契約書や重要事項説明書を提出しますが、こちらも電子契約の書面で受け付けていただけます。私が業界に入ったころは、物件資料もメールで受け付けていただけず、書面を銀行に持ち込むか、数十枚の契約関係書類をFAXで提出していましたので、非常に便利になりました。
まとめ
電子契約は時間の節約や費用の圧縮につながり、非常に便利になりましたが、相手方仲介会社の対応や売主様・買主様のご事情によって、電子契約の利用ができない場合もありますので、利用の可否など事前に確認されるといいでしょう。
ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
ご連絡、お待ちしております。
不動産流通システム【REDS】
小室 武稔(こむろ たけとし)
TEL 080-7564-4434
メール t.komuro@red-sys.jp
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