こんにちは。仲介手数料が必ず割引、最大無料の不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士の片岡慎太郎と申します。
最近、「リノベーション済みマンション」という物件が増えています。この「リノベーション済みマンション」とは何なのか、リフォーム済みとはどう違うのか、解説します。
リフォームとリノベーションの違い
まず「リフォーム」と「リノベーション」の違いってご存じでしょうか。
リフォームとは、リビングや部屋の壁紙を張り替えたり、キッチンのカウンタートップや水洗金具、キャビネットなどをモダンな設備に変更したり、バスルームを改装したり、古くなった設備などを新しくしたりなど、部分的な修繕を指します。
一方、リノベーションとは、現代的な生活をスタイルやニーズに合わせて改装することが目的とされ、新しい機能や設備を追加したり、給湯器や暖房システムを交換したり、スマートホームテクノロジーを導入したり、屋根や壁、基礎などの修復や補強を行うことで、耐久性を向上させ、長期的な価値を確保したりするなど、包括的な改修をすることを指します。
明確な定義がないので難しいところですが、床材のフロアータイルを例に取ると、へこみを直すことをリフォーム、天然木材のフローリングに変えることをリノベーションだと考えると分かりやすいのではないでしょうか。
リノベーションマンションとは?
リノベーションマンションとはどのようなマンションでしょうか。
多くのリノベーションマンションは、中古マンションのフローリング、壁、天井といった目に見える部分が新品に交換されており、見た目は新築並みに綺麗です。キッチンやお風呂、トイレ、配管(横引き)など住宅設備も新品に変更されている物件もあります。最近では、専門のデザイナー監修が付いてハイセンスな洗練されたマンションとなっている物件も存在します。
中古マンションを購入後にご自身で工事する場合は、入居まで時間がかかってしまいますが、理想の条件に合ったリノベーションマンションは、契約から入居まで円滑に進めることができます。
リノベーションマンションは、買い取り再販業者といわれる専門の不動産業者が売主となっている物件がほとんどです。不動産業者が売主の場合は、契約不適合責任が最低2年以上課されており、買主様が安心して購入しやすくなっています。
契約不適合責任とは、買主に引き渡された不動産が、種類、品質、数量に関して契約内容に適合しない場合に売主が負う責任のことであり、売主が適合しないものを引き渡した場合、買主が売主に対して補修または、代金減額、契約解除、損害賠償などを追及できる制度のことです。
一般個人の売主の場合は、買主が同意すれば、一部免責されます。仮に個人の売主が契約不適合責任を負うとしても3カ月程度であり、2年より短い場合が多く、負わない場合もあります。
リノベーションマンションのメリットとデメリット
リノベーションマンションにはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
まず、自分でリフォーム、リノベーションをしようとするとリフォーム会社の手配、見積もりの確認、設備仕様の選定など、かなり手間がかかります。一方、新規で探す場合は、きちんと施工してくれるのかという不安も残ります。
リノベーションマンションは、中古マンションをそのまま使うのに比べて前入居者の生活感を感じない点もメリットです。リフォームのように一部修繕するのではなく、全体的な雰囲気や見た目が変わっているので、前入居者の生活感がほぼ消えています。
もちろんデメリットもあります。専有部分(お部屋の中)はリノベーションできても、構造躯体や共用部分(バルコニー、玄関ドア、窓、郵便ポスト)などには個人が手を加えることはできません。
また、23区では、リノベーションマンションは旧耐震基準で建てられたマンションも多く、こうしたマンションには住宅ローンが使えないことがあります。最近では、例外もありますが、旧耐震の物件(1981年6月1日以降に建築確認を受けた物件)には、融資しない銀行が増えつつあるためです。同様の理由で、火災保険に加入できる保険会社も限定される場合もあります。
まとめ
メリットの多いリノベーションマンションですが、ポイントをまとめてみました。
●住宅ローンの確認:住宅ローン以外にも融資事務手数料、印紙代金、登記費用など諸経費がかかりますのであらかじめ理解しておきましょう。
●アフター保証:リノベーションマンションは、施工会社独自の保証がある場合があります。どういった保証が含まれているか、また保証範囲や保証期間を確認しておきましょう。
●耐震基準:築年数が古いと耐震基準を満たしていないマンションもありますが、中には、築年数が古くても補強工事を行い、耐震基準を満たしているマンションもあります。住宅ローンが使えない場合もありますので、事前に確認しておくことが重要です。
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