実は都内に多い旧耐震基準のマンション。新耐震との違いとは? | 仲介手数料無料のREDS

こんにちは。仲介手数料が必ず割引、最大無料の不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士の片岡慎太郎と申します。

少し前ですが、2017年12月に不動産経済研究所が発表したデータによると、首都圏一都三県で、震度5強レベルには耐える力を持つ「旧耐震基準」で建築されたマンションは、6746物件で、45万1560戸あるそうです。その中でも東京都は、4840物件、26万7623戸と約6割を占めています。

23区別にみると、最も多かった港区の480物件2万5337戸を含め、世田谷区の456物件1万9005戸、新宿区338物件1万8091戸、渋谷区374物件1万7736戸、品川区270物件1万5931戸、大田区269物件1万5072戸、板橋区215物件1万2989戸、江東区145物件1万2174戸、杉並区253物件1万1172戸、目黒区241物件1万618戸と計10区が1万戸を上回っているとのこと。

東京都で物件探しをすると、結構な確率で旧耐震のマンションを選んでしまうことになってしまいます。できることなら震度6強~震度7レベルでも倒壊しない設計の新耐震基準のマンションを選びたいもの。旧耐震と新耐震基準の違いについてご説明します。

耐震基準

耐震基準が定められた歴史

耐震基準は、1978年宮城県沖地震をきっかけに大きく改正され、1981年5月31日までの耐震基準を「旧耐震基準」、1981年6月1日以降の耐震基準を「新耐震基準」と呼んで区別しています。

これは、建物が新築された日ではなくて、建築確認完了日になります。1981年5月31日以前の建築確認完了日が「旧耐震基準」、1981年6月1日以降が「新耐震基準」です。

木造住宅の耐震性向上を目的として新耐震基準をさらに強化した「2000年基準(現行耐震基準)」もありますが、こちらは改めてお話しさせていただきます。

旧耐震と新耐震の違い

旧耐震基準は「震度5程度の中規模地震を受けたとしても、建物が倒壊・崩壊しないと考えられる」という基準です。中規模しか考慮されていないため、それ以上の大地震では倒壊の恐れがありました。震度5程度の地震では倒壊しないものの、建物に損傷が生じる可能性も少なくありませんでした。

1978年宮城県沖地震マグニチュード7.4(震度5)が発生し、建物やブロック塀の倒壊により甚大な被害がもたらされたのをきっかけに耐震基準が見直され、新耐震基準ができました。

新耐震基準は耐震性に関する規定がより厳格化され、震度6強程度の大地震でも建物が倒壊・崩落せず、人命や財産を守れることが基準となっています。

新耐震基準を満たすためのチェック

新耐震基準では、大地震に耐えられるよう、「一次設計(許容応力度計算)」と二次設計(保有水平耐力計算)」の二段階にわたって耐震チェックが行われます。一次設計とは、震度5程度の中規模な地震でも建物が倒壊しないという検証です。二次設計とは、震度6強から7の大規模な地震でも建物が倒壊・崩落せず、内部の人命や財産を守れることを検証するものです。

東京都の場合は、「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」により耐震化の状況の報告義務と耐震診断が義務化されています。次のいずれにも該当する建築物が対象です。

  1. 敷地が特定緊急輸送道路に接する建築物
  2. 昭和56年5月以前に新築された建築物(旧耐震基準)
  3. 道路幅員のおおむね2分の1以上の高さの建築物

旧耐震基準のマンションは、二次設計を行っていませんので、改めて耐震検査をした場合、ほぼ、新耐震基準を満たしてないことになります。満たしていない場合は、基本的に東京都、市区町村から助成制度を利用して耐震補強を行わなければなりません。

旧耐震マンションでは住宅ローンが厳しい?

旧耐震のマンションは、住宅ローンの融資も厳しくなり、耐震補強をしていないマンションは、融資すらしない銀行も多いのが現状です。弊社では、旧耐震のマンションでも融資できる金融機関はご紹介できますのでご安心ください。

耐震補強をすることで、新耐震基準を満たしていることが条件になりますが、住宅ローン控除も受けられますし、資産価値も上がります。住宅ローン控除については、内容がコロコロ変わりますので、国税庁の公式サイトにてご確認ください。

マンションを購入する際には、旧耐震、新耐震どちらも条件に入れて探すのもいいかもしれません。

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