こんにちは。仲介手数料が必ず割引、最大無料の不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士の片岡慎太郎と申します。
最近、高低差の強い土地のお取引をさせていただきましたので、そのお話をいたします。
(写真はイメージです)
東京に坂道が多い理由とは
品川区の一等地にある土地購入のお取引があったのですが、その土地は、結論から申し上げますと「がけ条例」にかかる土地でした。
「何でこんな坂のところに土地があるのだろう?」と疑問を感じて調べたところ、多摩丘陵や高尾山などの山地に近い場所に位置する東京都は起伏のある地形が形成されるため、坂道が多くなっているそうです。
また、隅田川や多摩川などの河川の流域は、昔から交通の要所であり、川に沿った土地利用が行われてきました。東京都は、元々湿地が多かったこともあり、土地を開発する際に排水が必要でした。このため、地形に応じて坂を設けることで、水が流れやすくする工夫がされました。
こうした歴史的背景もあり、江戸は城下町として発展しました。この時期、坂道は土地の利用を考慮して作られ、商業や交通の便をよくする役割を果たしていました。重要な交差点や集落は坂の上に位置することが多かったため、自然と坂が発展した経緯もあります。
明治以降、都市計画が進む中で、既存の地形を生かした開発が行われました。自然の地形を無視して平坦にするのではなく、坂を利用した街づくりが行われています。住宅地が坂の上に多く設けられ、坂道が生活道路として機能するようになったとされています。
23区で有名なところは、文京区の根津坂や白山台、台東区は伝法院通りの坂などが有名です。目黒区の目黒川沿いには坂道が多いです。杉並区は、さまざまな坂道がありますが、高円寺の坂道は独特の雰囲気があります。港区も坂が多く、人気スポットになっておりますが、乃木坂や南青山周辺も多い場所です。
城南五山の一角の土地のため役所に日参
今回、私がかかわった土地は、品川区の城南五山といわれる場所で、城南地区にある高台5カ所の総称で、目黒駅から品川駅にかけての地域に位置します。
池田山、御殿山、島津山、花房山、八つ山の総称で、江戸時代からそれぞれ由緒ある大名屋敷や大名出身の邸宅があったことが命名の由来です。古くから高級住宅街として知られており、ひとつのブランドになっております。
お取引があった土地と道路との位置関係はフラットでしたが、隣地との高低差は約6mありました。
取引を安心して進められるように品川区役所に毎日のように通い詰めて担当職員に説明してもらいました。「急斜地崩落危険区域」「急斜地崩落危険箇所」など馴染みのない条例名が出たと思いきや、条例が変わってなくなっているなど説明は二転三転、結局その土地は、「がけ条例」の対象という回答でした。
東京都の「がけ条例」(正式には「東京都建築安全条例第6条」)は、がけ崩れなどの災害から建築物を守るための規制を定めています。この条例は、高さ2mを超えるがけに近接して建築物を建てる場合に適用されます。
東京都のがけ条例の規制
東京都の「がけ条例」(正式には「東京都建築安全条例第6条」)は、がけ崩れなどの災害から建築物を守るための重要な規制を定めています。以下が主な規制内容になります。
- 擁壁の設置
・必要性:高さ2mを超えるがけに近接して建築物を建てる場合、2mを超える擁壁の設置が義務付けられています。
・安全性証明:擁壁の安全性を証明するために、検査済証が必要です。検査済証がない場合、専門家による診断を受けることが推奨されます。 - 建築物の構造
・がけ上の建築物:がけ上に建築物を建てる場合、がけや既存の擁壁に構造的な問題がないことを確認する必要があります。
・がけ下の建築物:がけ下に建築物を建てる場合、主要構造部を鉄筋コンクリート造など、耐久性のある材料にすることが求められます。 - 距離の確保
・推奨距離:がけの高さの2倍以上の距離を確保して建築物を建てることが推奨されます。これにより、がけ崩れのリスクを低減できます。 - 安全対策と管理
・擁壁の維持管理:擁壁の維持と管理は所有者の責任です。定期的にひび割れや劣化がないか確認し、必要に応じて修繕を行うことが重要です。
・行政の支援:東京都では、がけや擁壁の安全対策に関するアドバイザー派遣や改善工事の助成などの支援策を提供しています。
簡単に記載されておりますが、建物のプランができた時点で、品川区役所の建築家の審査、許可などもあり、修正が指示される場合もあるそうです。
最後に
今回お取引した買主様は、建築系のお仕事をされているお客様でしたので、土地のことも理解していただいており、私より専門的で詳しかったので、ご納得して購入されました。
おそらく、普通のお客様では、なかなか手が出せない土地だったかと思います。
お客様に感謝するとともに、いい経験をさせていただきました。
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