日銀が追加利上げでメガバンク、変動型住宅ローンの金利基準をついに引き上げ! | 仲介手数料無料のREDS

REDSエージェント、宅建士・宅建マイスターの井原直樹です。

2024年7月31日に行われた金融政策決定会合において、日銀は追加利上げを決定しました。これまで0〜0.1%程度だった政策金利を、8月1日以降に0.25%程度に引き上げる内容が決定されました。

金利引き上げ

(写真はイメージです)

基本給が5.28%アップとローン金利0.2%アップは釣り合っている?

日銀が利上げに踏み切った背景には、春闘での賃上げ率が5.28%と、33年ぶりの高水準だったことが大きかったと思います。個人的には、基本給が5.28%上がることに対して、ローン返済金利が0.2%上がることは、「バランスが取れているのか?」とも思いますが、決定されたことは仕方がありません。

ただし、物価高の影響もあり、経済が全体的に上向いているとは言いにくい状況もあります。利上げによる経済の冷え込みを危惧して、株価も大きく下落する場面もありました。

さらには、日銀は長期国債買い入れの減額も決定しています。日銀による長期国債の買い入れが少なくなると、長期国債の価格が下落し、反対に長期金利は上昇することが多いです。固定型の住宅ローン金利は、長期金利に連動していることから、今後さらに上昇していくことが想定されます。

では、実際に住宅ローン返済には、どのような影響があるのか、見ていきましょう。

各銀行の短期プライムレートは、おおむね0.2%上昇へ

政策金利の引き上げに伴い、各銀行は変動型住宅ローン金利の基準となる「短期プライムレート」を、9月から引き上げることを発表しました。

各行の短期プライムレート

銀行 上昇
三菱UFJ銀行 1.475% 1.675% +0.2%
三井住友銀行 1.475% 1.675% +0.2%
みずほ銀行 1.475% 1.675% +0.2%
りそな銀行 1.725% 1.875% +0.15%
三井住友信託銀行 1.475% 1.675% +0.2%

 

このように、メガバンクがそろって短期プライムレートの引き上げを発表しています。メガバンクが短プラ引き上げで足並みをそろえたことにより、その他の銀行にも流れが及ぶのではないかとみられています。

住宅ローン返済額に反映されるタイミングは?

短期プライムレートの引き上げによって、2024年10月1日から住宅ローンの変動金利の基準金利が見直される予定ですが、実際に住宅ローン返済への適用は、いつから行われるのでしょうか。

これは、すでに住宅ローンを返済中か、これから新規お借り入れかによって、反映されるタイミングが変わります。銀行により条件が変わりますので、正しくはご利用銀行へお尋ねください。

返済中の方、もしくは9月30日までに借り入れ予定の方

多くの場合、金利の見直しは4月と10月の年2回となっていますので、10月1日から新たな金利が適用されます。そして、実際に返済に反映されるのは1月の返済分からです。

適用金利決定:10月1日
返済への反映:翌年1月分から

10月1日以降に新規借り入れの方は引き上げ後の金利が適用

ただし、短期プライムレートを引き上げた分、金利優遇幅を拡大し、顧客獲得を狙う動きもありそうです。

結局新規借り入れ金利は変わらないことも十分あり得ると思いますが、経過観察が必要ですね。

適用金利が上がっても、返済額は上がらないってホント?

「適用金利が上がっても、返済額は上がらないってホント?」という声がありますが、これは「5年ルール」が適用されている住宅ローンに限っては「ホント」です。

日銀の植田総裁からも、こちらの趣旨の発言がありました。

「変動型の住宅ローンの多くは5年ルールが適用されるので、適用金利が上昇しても実質的に負担が生じるのは5年後のことであり、その5年間で先行して賃金が上昇するため、支払いの負担は大きく軽減される」

「5年ルール」とは、変動金利型の住宅ローン返済中に適用金利が上がったとしても、5年間は返済額が変わらないというルールのことです。

つまり、35年返済の場合、返済額が変動するタイミングは、「最大6回」ということですね。

併せて、「5年ルール」が設けられている住宅ローンには、1回の金利変更で125%までしか返済額を上げることができない「125%ルール」がセットで設けられています。

植田総裁の発言が当てはまるのは、変動型住宅ローンで「5年・125%ルール」の適用がある場合のみですので、注意が必要です。

主要銀行の「5年・125%ルール」の適用状況

「5年・125%ルール」あり

  • 都市銀行(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行)
  • 住信SBIネット銀行
  • auじぶん銀行
  • 楽天銀行

「5年・125%ルール」なし

  • SBI新生銀行
  • PayPay銀行
  • ソニー銀行

ただし、「5年ルール」は返済額が5年間変わらないだけで、半年ごとの適用金利はしっかり反映されています。

適用金利が上がれば、返済額の内訳として、元金の返済分が減りますので、それを補うために、返済額が5年ごとに125%を上限にして上がっていくイメージです。

5年・125%ルールにより、35年間で返済が終わらないことも

金利が劇的に上昇した際には、返済額は上限が決められているので、瞬発的に払いきれない利息が生じて返済期間の35年が終了した後に、未払利息の返済が継続します。

※銀行により規定が変わりますのでご確認ください。

すでにネット銀行は変動型住宅ローンの金利引き上げの動きあり

メガバンクの金利引き上げに先立ち、ネット銀行では日銀の利上げ決定前から、変動型住宅ローンの金利引き上げに動きました。

主だった銀行はこちらです。

●auじぶん銀行:新規借り入れ分の最優遇金利を0.329%へ引き上げ(+0.01%)
★REDS提携では、0.284%の特別金利が適用可能です。

●住信SBIネット銀行:短期プライムレートを年1.925%へ引き上げ(+0.2%)
★REDS提携では、0.298%の特別金利が適用可能です。

●ソニー銀行:変動型住宅ローンの基準金利を2.007%へ引き上げ(+0.2%)

★の特別金利のように、持ち込み案件数が多い仲介会社には、特別金利が提示されていることもあります。物件選びと同じように、仲介会社選びも、しっかり行いましょう!

最後に

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