REDSエージェント、宅建士の菊池です。「土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域」という言葉をご存じでしょうか。
東京都・千葉県・埼玉県では指定されているエリアがかなり限られるのであまり馴染みはないかもしれませんが、弊社REDSの営業エリアでもある横浜市周辺エリアでよくこの単語が出てくるため、この地域にある物件を買う際の注意点について解説します。
崖の近くで建物を建築する際の注意点5つ
まず、土砂災害警戒区域の指定・未指定にかかわらず、崖の近くの土地で建物を建築する際には、以下のような点に注意しましょう。
地盤調査
崖の近くの土地は地盤の安定性が重要です。建築前に地盤調査を行い、地盤の状態や地質を評価しましょう。地盤が不安定である場合は、適切な対策を講じる必要があります。
土砂災害のリスク評価
崖の近くでは土砂災害の発生リスクが高まることがあります。地域の土砂災害警戒区域や過去の災害情報を確認し、土砂災害のリスクを評価しましょう。特に注意が必要なのが「土砂災害『特別』警戒区域」の指定です(後述します)。避難施設などについては、行政が発行するハザードマップを事前に入手しておきましょう。
法規制と建築基準
崖の近くの土地では、地形や地勢に関連する法規制が存在する場合があります。建築基準法や地方自治体の条例を確認し、建築に関する規制や制限を遵守しましょう。必要な許認可手続きを適切に行うことも重要です。
保険の確認
崖の近くの土地で建築する場合、地滑りや崩壊などのリスクが高まるため、適切な保険を検討しましょう。土砂災害が起こる原因はさまざまで、その原因によって適用される保険が異なりますので、保険契約の際は注意が必要です。
建築設計と構造
崖の近くの土地では、地形に合わせた建築設計と強固な構造が必要です。建築物の安定性や耐震性を確保するため、建築士や構造設計士の専門知識を活用し、適切な設計と構造を実現します。崖の近くの土地に合わせて建築することが得意な建築家に依頼することで、その土地でしか得られない特徴のある建築物となることもあります(崖地に合わせて陽当たり・眺望などを調節することなど)。
「土砂災害『特別』警戒区域」とは
上記のように確認することが多くあるのが崖地の特徴です。その中で特に注意が必要なのが、「土砂災害『特別』警戒区域」と呼ばれる指定エリアです。どのような特徴があるでしょうか。
東京都建設局の定義では、以下のとおりです。
【土砂災害特別警戒区域(通称:レッドゾーン)】
土砂災害が発生した場合に、建築物の損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる区域
(土石等の移動等により建築物に作用する力の大きさが、通常の建築物が土石等の移動に対して住民の生命または身体に著しい危害を生ずるおそれのある損壊を生ずることなく耐えることのできる力の大きさを上回る区域)
そして、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定されると、土砂災害防止法にもとづき
・特定の開発行為に対する許可制
・建築物の構造規制
などが行われます。
土砂災害特別警戒区域の不動産を買う際の注意点
土砂災害特別警戒区域の不動産を購入する際の注意点としては以下のとおりです。
・注意点1:建築にかなりの制限あり
土砂災害特別警戒区域内では、建築物の建築にかなりの制限がかかります。制限内容は行政によって異なります。例として、外壁は鉄筋コンクリート造の擁壁が必要になることなどがあります。この対処措置により建築費が上昇することもあります。
・注意点2:売買契約前にプランを
売買契約をする前に、建築プランを入れることをお勧めします。土地に対して、指定エリアがどの程度か、建物がどの程度影響を受けるのか、契約前にはっきりさせておかないと、契約後に希望の建物が建たないなんてこともありえます。
役所の土木課などで、土砂災害特別警戒区域のエリアがどこからどこまでか、確認することができます。座標入りの指定エリアの図面をもらえるところもあります。
まとめ
上記はもちろん、不動産仲介会社の調査義務の範囲内ですので、崖の近くの物件においては、不動産仲介会社の調査スキルが重要になります。多くの資料を手元に用意し、現地もよく確認のうえ、慎重に検討することが大事です。
REDSのエージェントは皆、調査スキルが一定以上のエージェントですので、土砂災害警戒特別区域に関するご質問もお気軽にお申し付けください。
お問い合わせをお待ちしております。
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